「~できる」の「き」抜けチェック – ルール辞書活用の極意

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 2022.11からの数回の連載にて「AI校正ツールでできて、標準のJust Right!でできないこと」の一つ「日付と曜日の整合性チェック」にトライしました。今回は第2弾として、「~する」の可能表現「~でき」の「き」が脱字していてもチェックされない点をフォローするルール辞書を作成してみます。

目次

「~できる」の「き」抜けチェック 

例えば、どのような文?

「~でき」の前に名詞がくる「【名詞】できます/【名詞】できる」と、名詞の次に助詞が挟まる「【名詞】ができ~」などが考えられます。

例文1:間違いに対応できます。
例文2:間違いに対応でます。 ←「き」が脱字
例文3:水泳がでます。 ←「き」が脱字

STEP 1 形態素アナライザーで文を解析する

可能表現「~でき」を使った例文1を形態素アナライザーで解析すると、下記の品詞で構成されていることが確認できます。(参考:Just Right!活用ガイド – 形態素アナライザーによる単語登録

この例文から「き」が脱字している例文2を作成して、形態素アナライザーで解析すると、下記の品詞として認識されました。

「き」が脱字している別の例文3を形態素アナライザーで解析すると、下記の品詞として認識されました。

前に何がくるかによって、「で」が「助詞」や「一段動詞」として誤認識されます。

STEP 2 ルール辞書を作成

 前に何がくるか、複数の表記の場合でも指摘できるルールのパターンを作成してみました。「助詞」や「一段動詞」として認識される表記を個別に検出することを考えましたが、最終的には1つのパターンでルールを作成できました。

ちなみに、「[<“き”>:!]」の部分は否定カテゴリです。「で」のうしろに「き」以外がきたら指摘するためのルールです。

STEP 3 Just Right!でトライ

 正しい可能表現は指摘されず、「き」が抜けている箇所を検出することができました。
 なお、このルールの場合は「船がでる」も指摘されてしまうのですが、「でる」をひらがなで表記することはないと思いますので、指摘そのものはされてもよいかと思い、特に対処していません。

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