iiRDSの概要
tekomのワーキンググループ「Information4.0」は、2016年にiiRDS(The International Standard for Intelligent Information Request and Delivery:インテリジェントな 情報の「要求」と「配信」)標準作成の作業に着手しました。
その目的は、個人や独立した企業の間でインテリジェントな情報の要求に対して、インテリジェントに情報を配信するという2つの課題解決をする標準を開発することでした。具体的には、メーカーが個々の顧客が必要とする情報を簡単に配信できることを実現し、顧客はさまざまなメーカーの情報を簡単に統合できることを実現します。特定の決まったユースケースであったり、情報を必要とするその人固有の要求であったりするため、情報要求に応えることは、より高度なものとなります。
Industry 4.0およびスマートファクトリーの時代に、この標準は高度なテクニカルコミュニケーションの新しい方法の可能性を提示します。例えばこれまで、紙の書籍形式での技術文書を入手することは、日常的に行われていますが、しかし実際には、数千ページにも及ぶ技術文書から必要とする情報を探す手段としては、非常に非効率であるためです。
iiRDSは、そのタイミングで必要とされる情報を小さな情報の塊として配信する方法に置き換えます。
iiRDSはどのように機能するのか?
基本的な考え方:印刷形式のドキュメントがなくなっていき、デジタルの世界に移行されるに従って、コンテキストを形成する新しい方式が必要となります。この考え方の鍵はメタデータです。メタデータから単一トピックのコンテキストを形成し、トピック全体の中から適切なトピックを特定できます。メタデータからコンテキストを用意するとき、情報そのものと同じように配信の範囲を定義します。個々の企業間で、情報を要求する機能と情報を配信する機能を用意することがiiRDSの最大の関心事の1つです。
例えばある会社では、使用に関する説明書を単に「使用説明書」と呼ぶかもしれませんが、別の会社では「ユーザーガイド」や「ユーザーマニュアル」と呼ばれることもあり、ここに標準が必要であることがわかります。iiRDSは技術文書のための標準化された語彙です。ただ、企業は用語を調整する必要はありません。単に用語をiiRDSで定義されたものにマップするだけです。これを行うだけで、さまざまな企業間の情報交換が可能になります。
iiRDSはどのように活用できるのか?
メタデータは、具体的な使用例(例えば、誤動作が発生した場合にサービス技術者に正確な指示を配信するなど)に従って、具体的なコンテキストに基づいて情報を「要求」や「配信」に使用されたり、iiRDSで予め定義されている具体的なユースケースに応じて使用されます。Information 4.0の世界へようこそ。 iiRDSと共にコンソーシアムのメンバーになり、標準を実装することにより、初期の段階からそのアドバテージを獲得しませんか?
- ご自身の意見やノウハウを他の専門家や意思決定者と共有し、さらなる開発に積極的に参加する
- 新しいリリースが出たときには、常に、いち早くその対応バージョンをリリースする
- テクニカルコミュニケーションの進歩に専念する強力なコミュニティの一員となる
- 情報システムエンジニアリング(ISE)は、iiRDS設立メンバーにおける日本からの唯一の参加者として、iiRDSの活動を推進しています。日本企業への情報提供のため、tekomからの依頼に基づきiiRDSのWebサイトを日本語化しました。
- 詳しい情報やお問い合わせは、弊社までお問い合わせください。