Just Right!活用 Tips集

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過剰な敬語を指摘する
「おります」を「います」に修正指摘する
使用してよい単語だけが使われているかを確認する

目次

過剰な敬語を指摘する

過剰な敬語とは

「説得できる文章・表現200の鉄則(第4版)」には、いくつか鉄則が掲載されています。その中に「敬語はほどほどに使いましょう」という項目があります。「敬語は文末に1箇所程度と簡素化したい」とありますので、一文内に敬語が複数出現するのは過剰と言えます。
下記例文をもとに、指摘して置換できるようにしてみます。

STEP1 品詞を確認する

例文について形態素アナライザーで確認してみます。

青字下線が付与されない部分は語幹以外の活用部分と言えますが、ルール辞書用の定義では活用形は指定できないため、固定文字列で指定する必要があります。


上記2つの文例を一つの定義で検出できるように汎用的なルールにしました。

文末が「~た」や「~る」でも関係なく指摘、置換ができるように、それ以外の部分がきちんと指摘範囲となるようにしています。「:?」は「っ」が出現してもしなくても指摘されるようにするための指定です(Just Right!ではオプションカテゴリと呼びます)。

STEP2 Just Right!でトライ

例文を校正してみます。

文末の「た」や「る」以外がハイライトされているため、置換候補としてでている「書かれ」を選択するだけで、どちらの文例も矢印右側のように適切な表現に置き換わります。

(終わり-過剰な敬語の指摘)

「おります」を「います」に修正指摘する

おりますという表現がでてきた場合に、いますに修正するように指摘したいという問合せをいただきましたので、それを題材に進めていきます。

おります→います

「おります」は、「います」の丁重語「おる」に丁寧語「ます」を続けた表現 です。二重の丁重語をあらため、丁重語一つだけの軽めの丁寧語にしたいという要望です。
例文を考えて、形態素アナライザーで解析してみました。

「おります」の「おり」が一段動詞として認識されました。
別の例文も考えられましたので、形態素アナライザーで解析してみました。

こちらの場合の「おります」の「お」が補助動詞として認識されました。
こちらの「おります」は「(~して)いる」の丁寧な表現です。

STEP1 どこまで指摘させるかを登録

どこまでの表記が語幹部分の品詞として認識されたかに応じて、登録先辞書が変わります。一段動詞「おります」を指摘、修正できるようにするには、下記のように辞書ユーティリティで登録すれば済みます。

補助動詞「おります」も指摘、修正できるようにするには、下記のようにルールを作成し、ルール辞書に登録すれば済みます。

一段動詞「おります」の場合は、「おり」で1品詞として認識されたので辞書ユーティリティへの登録だけで済みました。しかし、補助動詞「おります」の場合は、「お」までしか1品詞で認識されなかったので、複数の品詞を組み合わせて指摘できるルールを作成し、ルール辞書に登録する必要がありました。

STEP2 Just Right!でトライ

例文を校正してみます。

ルール辞書で「補助動詞」として指定したにもかかわらず、一段動詞「おります」の部分も指摘されてしまいました。
原因はわかりませんが、どちらの置換候補を選んでも結果は同じになりますので、今回はここまでとします。

(終わり – 「おります」を「います」に修正指摘するには – 過剰な敬語を指摘する 2)

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使用してよい単語だけが使われているか確認する

~ Just Right!で存在チェックにチャレンジ! ~

 使用してよい単語だけが使われているかどうかを確認するためにJust Right!を使うことはできるのでしょうか。「存在チェック」や「悪魔の証明」とでもいうのか、存在しないことを証明するためにJust Right!を使う方法を検討します。

その単語は使っても大丈夫?

 正しい用語リストがあり、その用語がきちんと使われているかをチェックしたいケースが該当しますが、ここでは、中学生向けの教科書で使用されている単語だけを使用して英文の問題を作成するときに、教えていない単語が使用されていないことをどうすれば確認できるかを検討します。

 出現しないものを検出することはできないので、その逆をやってみます。要は、使用してよい単語だけをハイライト表示させることで、ハイライトされていない単語は教科書で使用されていない単語である、とするものです。ISEのAcrobat向けJust Right!連携プラグインを使用して、pdfにハイライト注釈を付ける方法でご紹介します。

STEP1 単語の一覧を用意

 Just Right!の校正用辞書ユーティリティで作成する辞書は、特定品詞の用語の正誤の組合せを登録しておくもので、間違った表記がでてきたら正しい表記に置き換えるように指摘するものです。この辞書を別の目的に使います。検出したい正しい表記を誤り側の表記として登録しつつ、検出したときのコメントを登録します。このように登録した辞書で校正を行うことで、検出したら置き換えるではなく、pdfにハイライト表示させつつ、コメントを残します。

辞書は下記のような一覧を元にします。

 二行目の「指摘対象の単語」や「指摘理由」などの見出しは、一覧で管理しやすいようにするための見出しです。校正用辞書ユーティリティで一括登録する際には不要です。


(参考)一括登録の方法については、下記を参照してください。
Just Right!活用ガイド – 環境設定編
STEP 4 一括での校正用ユーザー辞書の登録

STEP2 Just Right!でトライ

 英文でチェックをかけてみます。著作権が切れた「不思議の国のアリス」の英文を利用します。
 異なる中学校1年生向け教科書2冊の単語を登録し、チェックをかけ、検出した箇所にまとめてハイライト注釈を付与した結果です。赤枠で囲ったところが教科書間で差がでている単語です。

「指摘理由」に登録した内容が各注釈のポップアップに記載されます。どの教科書のどのページにでてきた単語なのかを確認できます。

 いかがでしたでしょうか。登録した単語だけをハイライト表示させることにより、ハイライトされていない用語は登録していない単語であるとするチェックでした。
今回は教科書の単語を例にとりましたが、「[]で囲われたUI表記用語のチェックに使用する」など、他にも用途が考えられます。ご参考にしてください。

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