「はが」構文をチェックする – 翻訳しやすい日本文を

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本連載コラムの発端は、翻訳しやすい日本語ライティングを楽に進めるために、誤訳の元になりそうな表現をツールでチェックするでした。今回のコラムでは、「はが」構文について検出できるか試してみます。

目次

「はが」構文とは

日本語スタイルガイド 第3版(一般財団法人 テクニカルコミュニケーター協会 編著) 第5編 翻訳しやすい日本語の要点」 209ページより引用します。

「はが」構文とは、次の例文のように1 つの文の中に助詞の「は」と「が」が含まれるもののことである。(中略)

例 物質Aは物質Bが苦手である。
[解釈1] 物質Aが物質Bを苦手としている。
[解釈2] 物質Aを、物質Bが苦手としている。

「は」を格助詞として解釈すると[解釈1]が成立する。しかし、「は」を副助詞として、つまり「物質Aは」を文修飾の副詞句として解釈すると[解釈2]が正しいことになる。したがって、この例文は、助詞「は」の解釈によってまったく逆の意味に解釈されることになる。

STEP1 「はが」構文の表現を検出するルール辞書を作成

検出する助詞「は」と「が」の出現順は決まっていますので、下記のような定義一つで済みました。

真ん中の「*」は「任意カテゴリ」を示します。いわゆるワイルドカードです。[A]*[B]と定義した場合、A~B間の任意の文字列にマッチします。

STEP2 Just Right!でトライ

例文は「日本語スタイルガイド 第3版(一般財団法人 テクニカルコミュニケーター協会 編著)
第5編 翻訳しやすい日本語の要点」209ページより引用

1行のルール定義で例文を検出することができました。翻訳するかどうかにかかわらず、「はが」構文だと意味があいまいになりますので、主格が一つの明解な文にするのがよいと思います。

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