【Just Right!・ATOK活用ガイド > Just Right!活用コラム > 辞書登録したのに指摘されない、校正結果がおかしいときには】
Just Right!用辞書を登録してみたものの、指摘がされなかったり、校正結果が不適切な送り仮名になったりと、期待した結果にならないときの対処方法をご紹介します。
例1)正解用例「許可が下りる」に対して、「降」が使われていたら指摘したいが検出されない
例2)登録したが「車両が通れなかった」が「車両がとおりなかった」に校正される
この2つのケースについて説明します。
「許可が降りる」を指摘したいのにされない場合
「下りる」の漢字の部分にだけ着目して、指摘対象の単語として「降」、訂正候補として「下」を登録してしまうと、指摘できません。形態素アナライザーを使用して、Just Right!が表記のどの範囲を何の品詞として認識しているかにあわせて登録する必要があります。
形態素アナライザーで分析すると下記のように表示されます。

「降りる」という「一段動詞」は、「降り」が語幹として認識されます。この語幹部分を指摘対象の「単語」として登録すると指摘できるようになります。

「車両がとおりなかった」- 校正結果がおかしい場合
「車両が通れなかった」→「車両がとおりなかった」のように指摘されてしまうケースでは、指摘対象の「語幹」「品詞」ともに適切ではないことが考えられます。
動詞の「通る」「通れる」は漢字でよいと思われますが、名詞の「通り」は、具体的な道路を指す場合や数を数える単位を示す場合だけ漢字で表記し、「言うとおり」「予想どおり」などで使用する場合はひらがなで表記することが一般的です。「通り」を動詞として登録してしまうと、不必要な箇所で検出し、かつ訂正候補を「とおり」としてしまうことで、結果的に不適切な送り仮名になってしまいます。
「車両が通れなかった」ではなく、「あなたの言う通りです」の漢字「通り」を検出してひらがなに訂正するように辞書を登録したいときには、下記のように登録することで適切に指摘できるようになります。
- 指摘対象の「単語」:名詞「通り」
- 訂正候補:名詞「とおり」

辞書登録のワンポイント – どの表記を検出して、どう校正させたいか
Just Right!用辞書を作成する場合、ルールを整備している段階から、きちんと正しい表記と誤った表記を含んだ文例をそれぞれ作成しておきます。作成した文例を形態素アナライザーで解析して、その表記の「語幹」「品詞」を把握して登録するようにしましょう。
正確な「語幹」「品詞」を確認するために、検出する表記だけを形態素アナライザーで解析するのではなく、検出する表記の前後に語句(他の品詞)を含んだ文が必要です。Just Right!は前後の語句との関係から「品詞」を認識します。解析をかけてみると、検出しようとした表記が実は名詞であった、動詞であった、Just Right!が単語として認識する範囲が人の認識と違っていたなど、Just Right!がどのように解析するのか確認できます。
