Just Right!への辞書登録、5つのケースで見るおすすめパターン

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 日本文をチェックしたいリストはあるけど、どのようにJust Right!用に辞書登録するとよいのか、効率的に進める方法がわからない、といったケースのために、辞書登録の進め方を5つのケースでご紹介します。手元のリストを見比べ、どの方法で進めるのがよさそうか参考にしてください。

■代表的な5つの辞書登録パターン
1.検出したい対象が、名詞中心の場合
2.検出する表記の品詞や語幹がわからない場合
3.チェックリストの整備も兼ねて、校正をかけながら辞書登録したい場合
4.校正設定による余計な指摘を回避したい場合
5.名詞や動詞の組合せ表記を検出したい場合

なお、少なくとも「インストール後、すぐに使うための最小限設定」は済んでいる前提で話を進めます。

目次

検出したい対象が、名詞中心の場合

 この名詞がでできたらこの表記に置換する、という場合は、最小限下記のように「指摘対象の単語」と「訂正候補」の一覧を用意いただくだけで辞書登録を効率よくできます。

※辞書登録用のサンプルファイルのダウンロードはこちらから(sample.xlsxをダウンロードできます。)

 この一覧をコピーしてテキストファイルにペーストし、校正用辞書ユーティリティの[ツール]メニューから[一括登録]>[単語ファイル]を選択してテキストファイルを指定すると、ユーザー辞書に検出→置換の一覧を取り込むことができます。
品詞を指定しなかった場合は、自動的に「名詞」と判断されますので、登録は完了です。

検出する表記の品詞や語幹がわからない場合

 名詞ではなく、その他の品詞であることはわかるが、これは形容詞なのか、副詞なのか、それとも別の品詞なのかわからないが、でてきたら検出→置換したいという場合には、形態素アナライザーを使用して、Just Right!がどの品詞として認識している表記なのかを調べることができます。

<関連記事>「形態素アナライザー」による単語登録


 例えば、下記文中に使用されている漢字の「頂」がでてきたら検出して、ひらがなにしたい場合で説明します。
「ご登録頂いた店舗で商品を受け取れるサービスです。」
形態素アナライザーでは下記のように表示されます。

[分解された単語]の該当表記「頂」を選択すると、その読みと品詞が表示されます。このままCtrl+Cでコピーすると、先ほどの一覧にペーストすることができますので、[訂正候補]として語幹部分の「いただ」を追記するだけで、品詞を調べた用語をまとめて登録することができます。

 検出したい表記の語幹部分だけが登録されるので、「頂いた」「頂けますでしょうか」など語尾が変化しても検出→置換が意図した文字の範囲で動作します。
 語句の前後の表記とあわせて品詞が判定されるので、検出したい表記だけでなく、検出したい表記を含む例文を作成して形態素アナライザーで調べると、正確に品詞が判定されます。

チェックリストの整備も兼ねて、校正をかけながら辞書登録したい場合

 あらかじめ検出→置換の一覧を用意しなくても、実際の文章で校正をかけながら辞書登録することもできます。
 例えば、下図のように「出来る」→「できる」に置換する辞書を登録したい場合、検出したい表記を選択して右クリックすると、選択した段落が形態素アナライザーに渡され、品詞が判定されます。ここで[単語登録]をクリックします。

 単語登録のダイアログが表示されるので、訂正候補を入力し、[OK]をクリックすると、「出来る」→「できる」の指摘がユーザー辞書に登録されます。

校正設定による余計な指摘を回避したい場合

 校正設定による同音異義語などのチェック機能の指摘が不要な場合は、チェック機能そのものを無効にすることもできます。しかし、一部の指摘だけが不要な場合は、その指摘を「指摘対象外」とすることで、同じ理由で指摘されないようにユーザー辞書に登録されます。
 校正をかけながら、指摘された箇所の校正結果欄で「指摘対象からはずす」を選択します。

名詞や動詞の組合せ表記を検出したい場合

 ここまで紹介したユーザー辞書への登録では、検出できるのは単一品詞の表記だけです。特定の名詞に続けて特定の動詞が出現した場合に指摘→置換したい場合は、ルール辞書に登録することで対処します。
 例えば、「~キー」の場合は、動詞としては「押す」だけを許可し、「クリックする」は許可しない場合は、下記のようなルールをテキストファイルで作成し、ルール辞書変換ツールで辞書形式に変換することで辞書化します。

 「クリック」や「タップ」を「押す」に置換するユーザー辞書にしてしまうと、指摘させたくない箇所も指摘されかねません。指摘させたい表記のパターンをルール辞書のお作法に従って作成すれば、意図した表記だけ検出させることができます。

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